関数#
関数とは#
数学において,関数\(f: X \to Y\)は,集合\(A\)の各元に対し,集合\(B\)の元を1つだけ対応させる規則のことを指します.
Excelでは,事前に定義された計算式を「関数」と呼びます.Excelにおいても,関数は同様に,ある値を入力すると別の値を出力する規則を指します.Excelの関数は,数値や文字列などのデータを引数として受け取り,計算結果を返します.
例えば,SUM
関数は,指定した範囲内の数値を引数として受け取り,その合計を計算して返します.AVERAGE
関数は,指定した範囲内の数値を引数として受け取り,その平均値を計算して返します.
関数の構文#
Excelの関数を用いて計算を行うため、関数の構文を理解する必要があります。Excelの関数は、以下のような形式で記述します。
= 関数名(引数1, 引数2, ...)
AVERAGE関数#
ここでは,AVERAGE
関数を例に説明します.AVERAGE
関数は,指定した範囲内の数値の平均を計算するための関数です.以下の構文を使用します.
= AVERAGE(数値1, [数値2], ...)
AVERAGE
関数を使用して,学生の各科目の平均点を計算してみましょう.
学籍番号 |
数学 |
英語 |
情報 |
---|---|---|---|
s1001 |
87 |
92 |
85 |
s1002 |
78 |
85 |
90 |
s1003 |
55 |
62 |
40 |
IF関数#
Excelの関数では,引数に数値だけでなく,文字列や論理値(TRUE/FALSE)を指定することもできます.
例えば,IF
関数は,条件に基づいて異なる値を返すための関数です.以下の構文を使用します.
= IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)
例えば、成績が60点以上の場合は「合格」、それ以外の場合は「不合格」と表示する場合、以下のように入力します。
= IF(F2 >= 60, "合格", "不合格")
学生の平均点を計算し、60点以上の場合は「進級」、それ以外の場合は「留年」と表示するIF
関数を作ってみましょう。
関数ネスト#
関数を他の関数の引数として使用することを「関数ネスト」と呼びます。
例えば、次の数式では、セルB4
からD4
の平均値を計算し、その結果が90以上の場合は「合格」、それ以外の場合は「不合格」と表示します。
= IF(AVERAGE(B4:D4) >= 90, "合格", "不合格")
よく使う関数#
Note
Excelでは、SUM()
、AVERAGE()
、MAX()
、MIN()
など様々な関数が用意されています。すべての関数を覚える必要はありませんが、よく使う関数を覚えておくと便利です。また、どの関数を使えばよいか分からない場合は、GoogleやChatGPTに聞いてみましょう。
ROUND関数#
ROUND関数は、数値を指定した桁数に四捨五入するための関数です。以下の構文を使用します。
= ROUND(数値, 桁数)
関数名:
ROUND
引数1:四捨五入する数値
引数2:四捨五入する桁数(整数)
3.14159
を小数点以下2桁に四捨五入する場合、以下のように入力します。
= ROUND(3.14159, 2)
SUM関数#
指定した範囲内の数値を合計する。
= SUM(数値1, [数値2], ...)
MEDIAN関数#
中央値
= MEDIAN(数値1, [数値2], ...)
MAX関数#
最大値
= MAX(数値1, [数値2], ...)
MIN関数#
最小値
= MIN(数値1, [数値2], ...)
IF関数#
条件に基づいて異なる値を返す。
= IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)
次に例を示します。B2の値が60以上の場合は「合格」、それ以外の場合は「不合格」と表示します。
= IF(B2 >= 60, "合格", "不合格")
COUNT関数#
指定した範囲内の数値の個数をカウントする。
= COUNT(数値1, [数値2], ...)
COUNTIF関数#
指定した条件を満たすセルの個数をカウントする。
= COUNTIF(範囲, 条件)
次に例を示します。B2からB10の範囲で、60以上の値を持つセルの個数をカウントします。
= COUNTIF(B2:B10, ">=60")
次の例では、B2からB10の範囲で、「合格」と表示されているセルの個数をカウントします。
= COUNTIF(B2:B10, "合格")
CORREL関数#
2つの配列の相関係数を計算する。
= CORREL(配列1, 配列2)
次の例では、B2からB10の範囲とC2からC10の範囲の相関係数を計算します。
= CORREL(B2:B10, C2:C10)
練習#
以下の表を参考に,以下の問題を解いてみましょう.
学籍番号 |
数学 |
英語 |
情報 |
進級判定 |
---|---|---|---|---|
s1001 |
87 |
92 |
85 |
|
s1002 |
78 |
85 |
90 |
|
s1003 |
55 |
62 |
40 |
|
平均点 |
||||
最高点 |
||||
最低点 |
||||
合格者数 |
各科目の平均点,最高点,最低点,合格者数を計算し,セルに記入せよ.
各学生の進級判定を行い,平均点が60以上の場合は「進級」,それ以外の場合は「留年」と表示せよ.関数ネストを使用すること.