45  文字コード

コンピューターはビットパターンを用いてさまざまなデータを表現する。文字も同様である。

45.1 学習目標

  • エンコードとデコードの概念を理解する
  • ASCIIコードの仕組みを理解する
  • Unicodeの概要を理解する

45.2 エンコードとデコード

文字をビットパターンで表現するには最も単純な方法は、各文字に対して一意のビットパターンを割り当てることである。

例えば,

文字 ビットパターン
A 0000 0001
B 0000 0010
C 0000 0011

このように、文字をビットパターンに変換することをエンコード(encode)、ビットパターンから文字に戻すことをデコード(decode)と呼ぶ。

エンコードとは、情報を暗号化・記号化すること。

デコードとは、暗号化・記号化された情報を元に戻すこと。

– 大辞林(第二版)

\(N\)種類の文字を表現するには、\(N \leq 2^n\)を満たす最小の整数\(n\)を見つければよい。これは、\(n\)ビットのパターンを用いることで、\(N\)種類の文字を表現できるはずである。

例えば、128種類の文字を表現するには、最小で7ビットが必要である。

\[ 2^7 = 128 \]

45.3 ASCIIコード

ASCIIコードは、7ビットのパターンを用いて、128種類の文字を表現できる。

表現できるものは以下の通りである。

  • 数字(0-9)
  • アルファベット(A-Z, a-z)
  • 記号(! ” など)
  • 制御文字(改行、タブなど)

ASCIIは、American Standard Code for Information Interchangeの略である。アスキーと読む。

ASCIIコード表をみると、各文字に対応する7ビットのパターンが確認できる。

コンピューターで扱うビット数は通常2の累乗であるため、実際には8ビット(1バイト)を用いてASCIIコードを表現するこ。左側のビットは0で埋められ、右側の7ビットがASCIIコードを表す。

下記は「Hello!」をASCIIコードで表現したものの一例である。

文字 ビットパターン 10進数
H 0100 1000 72
e 0110 0101 101
l 0110 1100 108
l 0110 1100 108
o 0110 1111 111
! 0010 0001 33

C言語では、文字はchar型で表現され、通常は1バイト(8ビット)を使用する。char型のデータを整数として出力すると、その文字のASCIIコードが表示される。

#include <stdio.h>

int main() {
    char c = 'A'; 
    printf("%d\n", c);
    return 0;
}

拡張ASCIIコード(Extended ASCII)では、8ビットを使用して256種類の文字を表現できる。

45.4 Unicode

Everyone in the world should be able to use their own language on phones and computers.

– Unicode

世界中のあらゆる文字表現に対応するために作られたのがUnicodeである。現在、Unicodeは文字の国際標準として広く使用されている。

45.5 Code Point

Unicodeは、各文字に一意のcode pointを割り当てる。code pointは、U+で始まり、16進数で表現される。

下はUnicodeの一部の文字とそのcode pointを示す。

文字 Code Point
A U+0041
U+3042
😂 U+1F602
π U+03C0
U+5B78
👍 U+1F44D
🏿 U+1F3FF

絵文字や一部の文字は、複数のコードポイントで構成される場合がある。

例えば、👍🏿は、👍と 🏿によって構成される。

45.6 ASCIIとの関係

Unicodeは、ASCIIの128文字(U+0000〜U+007F)をそのまま含んでいる。

45.7 エンコード

Unicodeは、文字を表現するためのさまざまなエンコーディング方式を提供している。標準的なエンコーディング方式には、UTF-8、UTF-16、UTF-32がある。この中では、UTF-8が最も広く使用されている。

45.7.1 UTF-32

UTF-32は、各文字を32ビット(4バイト)で表現する。code pointを4 byteのビットパターンに変換するだけである。

例えば、Aのcode pointはU+0041であり、UTF-32では次のように表現される。

0000 0000 0000 0000 0000 0000 0100 0001

英数字だけを扱う場合、UTF-32はASCIIコードの4倍のメモリを使う。例えば、ASCIIコードで「Hello!」を表現する場合は、各文字が1バイト(8ビット)で表現されるため、合計6バイトとなる。一方、UTF-32では各文字が4バイトで表現されるため、合計24バイトとなる。

45.7.2 UTF-8

Code point UTF-8
U+0000 ~ U+007F 0xxxxxxx
U+0080 ~ U+07FF 110xxxxx 10xxxxxx
U+0800 ~ U+FFFF 1110xxxx 10xxxxxx 10xxxxxx
U+010000 ~ U+10FFFF 11110xxx 10xxxxxx 10xxxxxx 10xxxxxx

UTF-8は、Unicodeのcode pointを1〜4バイトで表現する可変長エンコーディング方式である。ASCIIコードと互換性があり、ASCIIコードの文字はそのまま1バイトで表現される。

例えば、「學」のcode pointはU+5B78であり、2進数で表すと0101 1011 0111 1000となる。また、U+5B78は U+0800 ~ U+FFFF の範囲にあるため、1110xxxx 10xxxxxx 10xxxxxxの形式で表現される。code pointのビットパターンをUTF-8に変換するには、xの部分にビットを埋めていく。

「學」のUTF-8エンコードは次のようになる。

1110 xxxx -> 1110 0101
10xx xxxx -> 1010 1101
10xx xxxx -> 1011 1000

結果、UTF-8では次のように表現される。

11100101 10101101 10111000

これを16進数で表すと、E5 AD B8となる。こちらにアクセスして、E5 AD B8をUTF-8でデコードしてみよう。

45.8 文字化け

文字データが正しく表示できず、意味のない文字列が表示される現象を文字化けと呼ぶ。これは、エンコードとデコードの方式が一致しない場合に発生する。

文字化けが発生した場合は、適切な文字コードを指定してデコードする必要がある。

調べてみよう メモ帳、VSCode、Wordでは、どのように文字コードを指定するかを調べてみよう。