27  関数

27.1 関数とは

数学において,関数 f: A \to B は,集合 A の各元に対し,集合 B の元を1つだけ対応させる規則のことを指します.

Excelでは,事前に定義された計算式を「関数」と呼びます.Excelにおいても,関数は同様に,ある値を入力すると別の値を出力する規則を指します.Excelの関数は,数値や文字列などのデータを引数として受け取り,計算結果を返します.

例えば,SUM関数は,指定した範囲内の数値を引数として受け取り,その合計を計算して返します.AVERAGE関数は,指定した範囲内の数値を引数として受け取り,その平均値を計算して返します.

27.2 関数の構文

Excelの関数を用いて計算を行うため,関数の構文を理解する必要があります.Excelの関数は,以下のような形式で記述します.

= 関数名(引数1, 引数2, ...)

27.3 AVERAGE関数

ここでは,AVERAGE関数を例に説明します.AVERAGE関数は,指定した範囲内の数値の平均を計算するための関数です.以下の構文を使用します.

= AVERAGE(数値1, [数値2], ...)

AVERAGE関数を使用して,学生の各科目の平均点を計算してください.

学籍番号 数学 英語 情報
s1001 87 92 85
s1002 78 85 90
s1003 55 62 40

27.4 IF関数

Excelの関数では,引数に数値だけでなく,文字列や論理値(TRUE/FALSE)を指定することもできます.

例えば,IF関数は,条件に基づいて異なる値を返すための関数です.以下の構文を使用します.

= IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)

例えば,成績が60点以上の場合は「合格」,それ以外の場合は「不合格」と表示する場合,以下のように入力します.

= IF(F2 >= 60, "合格", "不合格")

学生の平均点を計算し,60点以上の場合は「進級」,それ以外の場合は「留年」と表示するIF関数を作ってください.

27.5 関数ネスト

関数を他の関数の引数として使用することを「関数ネスト」と呼びます.

例えば,次の数式では,セルB4からD4の平均値を計算し,その結果が90以上の場合は「合格」,それ以外の場合は「不合格」と表示します.

= IF(AVERAGE(B4:D4) >= 90, "合格", "不合格")

27.6 よく使う関数

ノートExcelの関数

Excelでは,SUM()AVERAGE()MAX()MIN()など様々な関数が用意されています.すべての関数を覚える必要はありませんが,よく使う関数を覚えておくと便利です.また,どの関数を使えばよいか分からない場合は,GoogleやChatGPTに聞いてください.

27.6.1 ROUND関数

ROUND関数は,数値を指定した桁数に四捨五入するための関数です.以下の構文を使用します.

= ROUND(数値, 桁数)
  • 関数名:ROUND
  • 引数1:四捨五入する数値
  • 引数2:四捨五入する桁数(整数)

3.14159を小数点以下2桁に四捨五入する場合,以下のように入力します.

= ROUND(3.14159, 2)

27.6.2 SUM関数

指定した範囲内の数値を合計します.

= SUM(数値1, [数値2], ...)

27.6.3 MEDIAN関数

中央値

= MEDIAN(数値1, [数値2], ...)

27.6.4 MAX関数

最大値

= MAX(数値1, [数値2], ...)

27.6.5 MIN関数

最小値

= MIN(数値1, [数値2], ...)

27.6.6 IF関数

条件に基づいて異なる値を返します.

= IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)

次に例を示します.B2の値が60以上の場合は「合格」,それ以外の場合は「不合格」と表示します.

= IF(B2 >= 60, "合格", "不合格")

27.6.7 COUNT関数

指定した範囲内の数値の個数をカウントします.

= COUNT(数値1, [数値2], ...)

27.6.8 COUNTIF関数

指定した条件を満たすセルの個数をカウントします.

= COUNTIF(範囲, 条件)

次に例を示します.B2からB10の範囲で,60以上の値を持つセルの個数をカウントします.

= COUNTIF(B2:B10, ">=60")

次の例では,B2からB10の範囲で,「合格」と表示されているセルの個数をカウントします.

= COUNTIF(B2:B10, "合格")

27.6.9 CORREL関数

2つの配列の相関係数を計算します.

= CORREL(配列1, 配列2)

次の例では,B2からB10の範囲とC2からC10の範囲の相関係数を計算します.

= CORREL(B2:B10, C2:C10)

27.7 練習

以下の表を参考に,以下の問題を解いてください.

学籍番号 数学 英語 情報 進級判定
s1001 87 92 85
s1002 78 85 90
s1003 55 62 40
平均点
最高点
最低点
合格者数
  1. 各科目の平均点,最高点,最低点,合格者数を計算し,セルに記入してください.
  2. 各学生の進級判定を行い,平均点が60以上の場合は「進級」,それ以外の場合は「留年」と表示してください.関数ネストを使用すること.